外苑前の隠れ家イノベーティブレストラン「JULIA」春の新作メニューに舌鼓!
外苑前駅から5分程歩くと、抜群のロケーションながら表通りからは少し奥に入る為、ひっそりとした隠れ家感も併せ持つ秘密基地のようなイノベーティブレストラン「JULIA」が姿を現す。
JULIA

今回春の新メニューお披露目という事でお招きを頂きお邪魔してきました。
佇まいから秘密めいた感があり、ワクワクしてしまう気持ちを抑えつつチャイムを押して中へ。

扉が開くとそこはヴィンテージ家具を中心としたモダンな空間が広がり、普段はラウンジ空間としてコース料理のスタートである食前酒と前菜が振る舞われ、その後2階へ移動するスタイルになるそうです。


JULIAの前身は茨城県つくば市で「本橋ワイン食堂」としてスタートした後に、店名を「JULIA」と変えて恵比寿への進出を経て、外苑前へと拠点を移しています。
店名の由来は本橋さんのお母様のあだ名だそう。
愛のある食事で人を幸せにする母の姿を重ね、「母のような愛のあるレストランにしたい」という想いが込められているそうです!

ラウンジでは3種の前菜が振る舞われました。
メニューには「蛤/菜の花・鮪/大根・雲丹/酒粕」とだけ記され、想像力を掻き立てられるプレゼンテーション。
大ぶりの蛤に菜の花のソース、ディルのクリームを合わせたものや、鮪のタルタルと大根のピクルスを合わせ花に見立てた和がらしがアクセントになった彩り鮮やかな1皿、北海道産の濃厚な雲丹と酒粕のクリームをチュロスで表現したどれもが独創性の高いメニューになっています。



ラウンジ空間でマリアージュするお酒は長崎県五島市にある五島ワイナリーの「スパークリングワイン キャンベル・アーリー 2024 (ロゼ)」

爽やかな酸味の中に、プラムやチェリーのような香りと口の中に広がる心地良い泡感が素晴らしい。
シェフnaoさんとオーナーソムリエ本橋さんはご夫婦との事。
共にニューヨーク・マンハッタンのミシュラン1つ星「GRAMERCY TAVERN」で研修した経歴を持つお二人ですが、海外で過ごす事でnaoシェフは日本食材の豊かさに改めて気付き、本橋さんはGRAMERCY TAVERNシェフソムリエからの「日本のワインをもっと広めるべき」という一言で日本ワインへの想いを強めたそう。
JULIAの最大の特徴は、食材の産地やワインのセレクトからも見て取れるように本橋さんの故郷である茨城愛に満ちた茨城県産の食材やワインを中心としたメニュー構成で、日本が誇る食材にとことんこだわりを持ったイノベーティブレストランという点でしょう。

本橋さんが言う「レストランで食事をする事は映画館で映画を観るようなもの」という意味合いが2階へ移動すると如実に体感する事が出来ます。

劇場のように広がる開放的なオープンキッチン。
その舞台でシェフが調理する躍動感溢れる様子を愛でながら料理やワインが振る舞われる。

JULIAという劇場で数時間を過ごすお客様に、映画を観るような感覚でJULIAの世界観に引き込み、魅了し、帰る時に喜んで貰えるような想いが込めれらていました。
繰り広げられた料理とワインのペアリングのスタートは
帆立/蕗の薹

身の厚い帆立をフリット仕立てで頂きます。
キュウイの酸味がホタテの甘みを引き立て、ほうれん草のソースの味わいの力強さが抜群にフィットします。

合わせるお酒は茨城県牛久市にある「麦と葡萄 牛久醸造場」のEN Viognier 2023(エン ヴィオニエ2023)
華やかさのある柑橘系の香りの奥に、ミントのような清涼感を感じるしっかりとした酸の立った白ワイン。
柑橘/烏賊/昆布

和歌山県から取り寄せる4種の柑橘と烏賊と昆布を合わせた1皿。
昆布の旨みが利いていて、イカ墨のコクのあるソース、ねっとりと絡みつく烏賊の旨みと食感が素晴らしいマリアージュを見せています。
カルダモンをエスプーマにし爽やかなスパイス感を加えながら柑橘の酸味が利いたパウダーや七味を添えて、味わいの広がり、奥深さを感じるメニューに。
ワインは「ファットリア・アル・フィオーレLimited Edition Rosato 2023 bis」

bisというのはイタリア語でアンコールを現す言葉。
このワインが多くの方のアンコール要望があった、Rosato2015をイメージして仕込んだ復刻モデルになるそうです。
爽やかさの中に、花の香りやアプリコット、ブラッドオレンジ、ピンクペッパーなど複雑味のある奥行きを感じる味わいで、和歌山の柑橘のとバランス感が絶妙でした。
鰻/苺

鰻の炭火焼きがこんなにも鮮やかな1皿になるとは!
苺の果肉を使った甘酸っぱいソースをメインに、日本酒ウォッシュのチーズソースや赤ワインのソースの多重奏が奏でる複雑な味わい。
鰻のふわふわの食感と旨みが様々な味わいのソースと合わせる面白さが味わえる1皿です。
ワインは広島のヴィノーブルヴィンヤードから「2023 マスカット・ベーリーA ロゼ 」

苺のような甘い香りの中に、口当たりは少しドライ感のあるバランスの良さが印象的。
味が強めの鰻と主張のあるソースにも負けない力強さがありました。
蝦夷鹿/季節野菜

季節野菜は全て茨城県産を使用し、芽キャベツや薇など食感豊かな野菜が先ず美味しい。
新鮮な蝦夷鹿はその癖のなさと食べやすさにまずは驚きを感じ、更には抜群の火入れによる柔らかな食感と合わせる赤ワインのソースのコクと甘みのある味わいが抜群で蝦夷鹿との相性が素晴らしい!
彩り鮮やかな野菜に添えられたソースはビーツやにんじん、ほうれん草に根セロリを使ったもので、野菜の旨みや甘みもしっかりと感じ取れる1皿になっています。
蝦夷鹿に合わせたお酒は北海道余市町の「アリマックス スノー・ローバー・ピノノワール 2022」

すっきりとした酸とフルーティーな果実味が同居し、奥に軽いスパイス感のある味わいが蝦夷鹿の旨みとコクのあるソースとの相性が良かった。
デザートは「チーズケーキの…」という意味深なメニュー表記。

その正体はチーズケーキのアイスクリームでした!
ポテっとしたキュートなシルエットのチーズケーキアイスは、可愛さとは裏腹に力強いチーズの風味が抜群です。
合わせたお酒は美山錦を使った森島酒造の日本酒「森嶋 美山錦 純米吟醸(生)」

バランス感を重視して仕上げられた純米吟醸。
15度の無ろ過生原酒は、爽やかな酸と美山錦特有の苦味や渋味も感じられる旨みとフレッシュさが感じられる1杯。
コクのある濃厚なチーズケーキアイスとの食べ合わせは新鮮な感覚でした。
JULIAのメニュー構成はまずはお酒が先に立つそうです。
そこからnaoシェフが食材をどう調理してお酒に合わせていくかを考察していくスタイル。
この組み立てもなかなか珍しいのでは?
見事なまでにJULIAの世界観にすっかりと引き込まれ、料理とお酒飲む見事なまでにマリアージュに魅了されたひと時でした。
春の新メニューを是非体感してみて下さい!
JULIA
住所:東京都渋谷区神宮前3-1-25
電話:03-5843-1982
時間:12:00〜14:30・19:00〜23:00
定休日:火曜日
座席:32席(カウンター8席・テーブル24席)