山本山の旗艦店「山本山 ふじヱ茶房」が喫茶メニュー全面リニューアル!

1690年(元禄三年)に山本嘉兵衛が江戸日本橋に茶を商うお店を開いたのが始まりのお茶と海苔の山本山。

 

山本山 ふじヱ茶房

 

 

天保6年(1835)に山本山の6代目店主が発明した「玉露」は最上級のお茶として現代において人気のお茶となっています。

 

6代目山本嘉兵衛が茶づくりを研究している際、茶葉を乾燥させる段階で偶然手に付いたよじれた茶葉を試飲したところ、気品ある風味と鮮麗な色沢の甘露ようなお茶が出来上がったそう。

 

それを「玉の露」と名付け売り出したらたちまち江戸の人々を魅了し最上級のお茶として愛されるようになった事から端を発しているそうです。

 

 

今回の喫茶メニュー全面リニューアルは、この「玉露」が持つ魅力を様々に楽しめるメニューが新登場する他に「煎茶」メニューも新しくなります。

 

株式会社山本山 代表取締役社長・十一代当主 山本 奈未氏

 

山本 奈未氏の経歴

2009年に山本山に入社し、海外事業部長職を経て2012年からYAMAMOTOYAMA U.S.Aにおいてグローバルブランディングを担当。

2015年日本橋再開発に伴いリブランディングに着手し、プロジェクトを成功に導く。

2016年にYAMAMOTOYAMA U.S.A社長に就任、2018年山本取締役副社長を経て2023年から代表取締役に就任。

 

 

そんな山本社長から山本山の歴史やこれまでの経緯、これから目指す山本山の方向性などをお話し頂きました。

 

今回のリニューアルメニューの目玉として、6代目嘉兵衛の美味しい茶づくりへの探究から生まれた「玉露」を未来へ繋げて行くために、山本山ならではの楽しみ方を追求したメニューがラインナップされています。

 

 

コンセプトには「上質なお茶と海苔を、最高の状態で召し上がっていただきたい」を掲げ、全国から厳選したお茶と海苔が主役の料理、お茶と海苔にまつわる甘味を提供しています。

 

そのメインとなる商品は「玉露 しふく」。

 

和菓子付きで3,300円の本メニューは、まさに「玉露」を心ゆくまで堪能していただく為のメニューになります。

 

 

1つの茶葉から製法の違いで様々な味わいが楽しめる日本茶の中でも、この玉露は「覆い下茶園」で栽培された、新芽だけを使った日本を代表する緑茶。

 

玉露 しふくは、四煎に分けて温度を変えて「甘み」「旨み」「滋味」「香り」という変化を楽しむメニュー。

 

 

 

一煎めは「低温・氷出し・零度」という環境下でじっくりとゆっくり一晩かけて氷から抽出した冷たい玉露。

 

 

苦味と渋みが抑えられた茶葉の甘みを最大限体感する飲み方。

 

続いて「中温・40度」でしっかりと湯冷しして、程良い湯温で抽出する事で茶葉が開き、その茶葉は仄かな苦味が旨みを引き立てている味わいに。

 

 

そして「高温・70度」とやや熱めの温度で抽出する事で、大地のミネラル感や茶葉のアミノ酸をたっぷり感じる事が出来る滋味深い味わいに。

 

 

最後は香りを堪能する飲み方。

沸騰する直前の「高温・90度」という熱湯に近い湯温で素早く抽出し、季節ごとに変わるその時期の素材と合わせた、ふじヱ茶房オリジナルのブレンド茶。

この時期は柚子の皮と合わせています。

 

抽出した玉露を氷の入ったグラスに移し替え、山本山の代名詞でもある高級海苔「にほんばし」と合わせて玉露のうまみと海苔の香ばしさが掛け合わされたここでしか飲めない玉露になっています。

 

 

そして今回の件メニュー全面リニューアルと合わせて紹介されたのが、お茶にとっての必須アイテム「急須」。

 

山本山の屋号入りのオリジナル「常滑焼急須」になります。

 

 

手掛けるのは「北條陶房」の常滑焼 急須作家、清水 小北條氏。

 

清水 小北條(しみず こほくじょう)氏

 

清水 小北條氏の経歴

 

本名は清水 孝幸。大学2年からモデルの仕事を始め、30代半ばで愛知県常滑市の無形文化財でもある常滑焼を伝統工芸士である父、清水 北條氏からの指導で陶芸を学び急須づくりを始める。現在もモデル業を継続しながら陶芸とモデルの二刀流として活動している。

 

山本山オリジナルの急須が生まれた経緯や清水氏の他に類を見ない経歴や常滑焼に関するお話を山本社長が深掘りしながら、対談形式で展開され興味深い内容でした。

 

山本 奈未社長と清水 小北條氏

 

 

山本山の屋号が刻印された常滑焼の急須は、本朱泥炭化という手法で焼き上げた黒急須(¥22,000・税込)と焼締急須(¥22,000・税込)。

 

黒急須(右)・焼締急須(左)

 

清水 小北條氏が手掛ける急須は、茶漉しの部分を昔ながらの製法できちんと作る陶製による所謂「出べそ」と言われる形状で製作されている点がポイント。

 

常滑焼の急須でよく使われている陶製出べそ茶漉しは、微細な穴がたくさん空いていて深蒸し茶のような目の細かいお茶でも目詰まりしにくいのが特徴だそう。

 

1つ1つ丁寧に穴を空けて製作する訳ですが、かなり難しい工程で、清水氏も習得するのにかなりの数作陶されたそうです。

 

日本六古窯のひとつである常滑焼は、知多半島で採れる鉄分を多く含んだ陶土を使用し、釉薬を掛けずに固く焼き締める事が可能で、「朱泥」と呼ばれる落ち着いた雰囲気の朱色と、ろくろ筋を活かした質感が何とも言えない人の温かさを感じられる作品です。

 

 

食事メニューからは、贅を尽くした極上の海苔茶漬け「山本山 海苔だく茶漬け」(¥2,400・税込)。

 

 

山本山の最高級のり「にほんばし」とバラ干し海苔に、海苔の風味を引き立てる国産はまぐりの出汁が利いた贅沢な海苔茶漬け。

 

九州・有明海産の高級海苔中から厳選した山本山最高級海苔「にほんばし」と、バラ干し海苔でご飯が見えない程に全面埋め尽くされた贅沢さ!

 

 

ベースにはふじヱ茶房自家製の昆布と鰹節から取った出汁を使い、そこにはまぐりを合わせる事で昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、はまぐりのコハク酸という3つの旨み成分が絡み合い、まさに極上の茶漬けに。

 

添えられたプチプチ食感の海ブトウの程良い塩味が、磯の香りと口当たりの豊かさに良いアクセントを加えているんですよね。

 

これ以外にも玉露と食事を楽しめる「茶菓講 アフタヌーンティー」や「玉露とお食事」、京都の宇治茶や埼玉の深蒸 狭山茶、福岡のかぶせ 八女茶など様々な煎茶、更には京都の抹茶 ふじヱ茶房や天下一といった抹茶がズラリと並ぶリニューアルメニューに注目です。

 

 

【山本山 ふじヱ茶房】

 

東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング1階

03-3271-3273

物販:10:30〜18:30

喫茶:11:00〜18:00(L.O.17:30)

定休日:日本橋髙島屋S.Cに準ずる