人気のミシュランフレンチ「La paix(ラペ)」が手掛ける新店舗はフュージョンODEN!松本シェフの想いが詰まった「おでん屋平ちゃん」が三越前にオープン!
三越前でフレンチと言えばすぐにここ「La paix(ラペ)」の名前が挙がる人が多いと思います。
ミシュラン獲得の実力店ながらコスパ高いフレンチが人気の名店ですよね。
そしてここ「La paix(ラペ)」で新年の限定メニューとして人気なのがフレンチが手掛けるおでん。
実はご存知の方も多いかもしれませんが、松本シェフのご実家が老舗のおでん屋という事もあり、おでんは松本シェフのいわば家庭の味「ソウルフード」なんですね。
このビルを見てグルメな方ならピンと来るかもしれませんね。

1Fには老舗の江戸前鮨「蛇の市本店」さん、2Fにはイタリアンの「Da GOTO」が入るビル。
このビルのB1Fに新店舗「おでん屋平ちゃん」をオープンされたんです。
おでん屋平ちゃん

カーブする階段のスロープを降りると、開閉式で個室にもなるテーブル席が現れます。
奥に進むとオープンキッチンのL字カウンター席がまるで劇場のように出迎えてくれます。
キッチンの中では料理人達が活気溢れる動きを見せ、フュージョンODENが作り上げられていく様を目の前で目の当たりに出来る特等席。

壁面にはおでん屋平ちゃんにゆかりのある生産者さんや取引関係の方々からの「平」の寄せ書きが飾られています。

そしてここおでん屋平ちゃんをシェフとして取り仕切るのは、「La paix(ラペ)」で手腕を奮っていた根内大和シェフ。
振り返ると松本シェフが独立前に勤めていた「メルヴェイユ」で厨房を取り仕切っていたのが30歳の時だそう。
そして根内シェフは31歳。
この世代の人達にお店を任せる事で、色々な経験を積んでキャリアアップに繋がると同時に後進の育成にも繋がればという松本シェフの熱い言葉が印象的でした。


お箸にも「平ちゃん」ロゴが!

お品書きには松本シェフの平ちゃんのおでんについての想いが綴られています。

「自分にとっておふくろの味 おもいでの味、ほっとする味、なつかしい味 いつまでも、ずっと食べたい味 みんなにも食べてもらいたい、たのしんでもらいたい、自分の原点」
現状は昼と夜共にコースのみの設定で、ランチは¥4,950・ディナーは¥9,900(税込・サービス別)という内容。
アルコールペアリング(¥7,865)・ノンアルコールペアリング(¥4,840)を付ける事も可能です。

この日はノンアルコールペアリングでオーダーさせていただいました。
飲んではいませんが、初めてメニューで名前を拝見したので写真を撮らせていただいたクラフトビール。

勿論ペアリングではなく、ビールやワイン、シャンパンなど単品でのオーダーも可能かなのでご安心を。
乾杯は桃と生姜のトニックウォーター割り。
スッキリさとスパイシーさが胃を刺激します。

前菜の段階から一般的なおでんのイメージを大きく飛び越えてくるフレンチが提案するイノベーティブODEN炸裂です!
ほろほろ鳥白レバーの佃煮

臭みなど皆無の白レバーのねっとり舌に絡みつく食感と、黒米の煎餅の食感のコントラストが素晴らしい。
「平」のロゴが入った器で登場したのは、とうもろこしのすり流し。

蓋を開けると…
とうもろこしの美しい黄色が目に飛び込んできます!

スプーンで掬うと、とうもろこしの粒もゴロゴロと入っていて口の中にもの凄い甘さと、粒々の弾ける食感が心地良いんです!

白胡麻豆腐

もっちもちな食感と白胡麻の風味が濃厚な胡麻豆腐の上には、焼き茄子のピューレと雲丹がたっぷりとトッピング!
飾られた葉は「ナスタチウム」で山葵のような軽いピリッと感があり、茄子と雲丹の甘みにアクセントとなっている。

ドリンクは八海山の甘酒にゆず果汁をブレンドしたもの。
これかなり好みで思わずおかわりしてしまった…
甘鯛のお刺身

厚みのある甘鯛と合わせるのは、金時草のお浸し。

ねっとりとした口当たりには爽やかに土佐酢のジュレを合わせ、クラゲのコリコリ食感も食べていて面白い1品。
おでんのサラダ

たっぷりのハープ類が散らされたサラダには、ズッキーニや牛蒡、茗荷など食感豊かなお野菜がたっぷりと入っています!
個人的には榎本農園さんの「贅沢トマト」の甘みが抜群に好きでした!
半熟卵も濃厚で美味い!

サラダの下にはゴロッとしたシャドークイーンのおでんの天ぷらが!

美しい紫色をしたお芋。
パルメザンとからすみが振りかけられ、辛子マスタードと合わせていただくおでんサラダは珍しかったなぁ。
器が本当にどれも素敵で、伺うとその多くが「伝統を意識しながら、常に新しい感覚で。」をコンセプトとするネオクラシックな有田焼を提案されているカマチ陶舗さんのものとの事。

こちらの器には平ちゃんのスペシャリテでもあるおでん春巻きが。


春巻きの中にはオリヴィアポークを大根のおでんで巻いたものがゴロッと入っています。


このオリヴィアポークは九十九里産のもので、餌にはネーミングの通りオリーブオイルの搾りカスを与えているそう。
36℃という低めの融点なので、口の中でフワァッととろけるような口当たりと甘みが特徴的で、出汁が沁み沁みの大根との相性が抜群です!
春巻きのパリパリの食感とのコントラストも抜群で、流石のスペシャリテという印象ですね!
かなり熱いので猫舌の方は十二分にご注意下さい!
ドリンクはカシスと緑茶を合わせた華やかな風味が特徴的な1杯。

こちらのドリンクはソービニョンブランにハイビスカスとカボスと合わせた鮮やかな色味が美しい1杯。


イカシュウマイ

スルメイカをたっぷり使い、周りにシュウマイの皮を纏わせたイカシュウマイは食べ応えも抜群です。

かき揚げ

ゴーヤやししとう、アーリーレッドにコリンキーや帆立までがかき揚げに!
いろんな旨みが出汁の旨みと交わり「美味い!」しかない…出汁まで完全に飲み干しちゃうやつです!
トマトのコンソメ

グラスの周りには塩を!ソルティドックのようなイメージで、ワイングラスでいただくコンソメは珍しいですよね。
そしてあのお気に入りの榎本農園のトマトを使っていて、グラスを近づけたらときの芳醇な香りと飲み口のトマト感がもの凄い1杯です。
鰯と鶏つくねのおでん

大ぶりな鰯と鶏のつくねと黒米のこんにゃくのおでん屋盛り合わせは、ここで定番的なおでん登場!っていう印象。

ふっくらと身がぎっしりのつくねとこんにゃくで思わずほっこりしてしまう…
玉露とカツオ出汁

玉露の旨みと鰹出汁の旨みの融合はおでんと合わせると相乗効果で得も言われぬ旨さ!これは出汁の神髄ですね!
鴨の治部煮

那須の揚げ浸しと合わせて。

ここまでまずまずのボリューム感ですが、鴨がサッパリとヘルシーな上、治部煮の野菜味わいでペロリと食べれてしまう…
〆のご飯

たっぷりのホワイトコーンを鰹と昆布の出汁で炊いた土なべご飯には、豪快に焼かれた鮎とフォアグラ、木の芽が!

〆ご飯の土鍋ご開帳がひと通り済んでから、一度でも鮎は取り出して丁寧に骨抜きをしてほぐしてとうもろこしごはんと混ぜ合わせます。

まずはシンプルにそのまま鮎の旨みと濃厚なフォアグラの風味、ホワイトコーンの甘さをじっくりと舌で味わい尽くします。
2杯目のおかわりはお茶漬け風に優しい出汁を加えて違った味わいを楽しめるんです!


ここでタイミングでお漬物が出てくる辺りが憎いですよね!

ラペ スペシャリテ 韃靼そば茶

これはラペのスペシャリテとして口にされてる方も多いのでは?
韃靼そばちゃんのブランマンジェに塩アイスがトッピングされたスペシャリテ!

優しい甘さと塩アイスの塩味、オリーブオイルの風磨が三位一体となりサッパリといただけるアヴァンデセール。
フルーツパフェ

カウンターサイドで全工程をその場で作り上げるパフォーマンス性高いパフェは見ている方も何だかワクワクしちゃいます!
グラスもシルエットも美しい…
おでん屋という事を良い意味で忘れてしまう!



マンゴーを筆頭に、パッションフルーツやパパイヤがゴロッと入っていてナタデココやオレンジジュレマンゴーのグラニテ…と贅沢な内容。
クランブルの食感やココナッツミルクの風味も感じ、サッパリとしたカルダモンのアイスと合わせるなど、口の中が華やかになる南国を感じるフルーツパフェはこれ単品でもっと大きなグラスでも食べたくなる1品でした。
オープンカウンターでスタッフの方々の活気ある躍動感溢れる動きを目の当たりにしながら、創作性高い「フュージョンODEN」を堪能させていただく至福の時間を過ごせました!
松本シェフのおふくろの味、原点の味である「おでん」への想いを受け継ぎ更なる進化を遂げるであろう根内シェフ率いる「おでん屋平ちゃん」の今後から目が離せなさそうですね!
【おでん屋平ちゃん】
東京都中央区日本橋室町1-12-10 B1F
03-3623-1723
木曜定休
https://www.instagram.com/lapaix_heichan/